片倉もとこ著『イスラームの世界観』


兄に勧められたイスラームの本を読み始めました。トルコに関する文献はエッセイや小説や新書など結構読んでいるのですが、イスラームというジャンルではあまり読んだことがありませんでした。

オススメいただいたのは、片倉もとこ著『イスラームの世界観―「移動文化」を考える (岩波現代文庫 社会 161)』という本。イスラーム(イスラームには教えという意味もあるらしく、著者はイスラム教とは言わない)の人々がある一定の土地に根を生やさず、移動をしながら生活することへの意味などに焦点を当てて彼らの考え方、イスラームを読み解くもの。

フィールドワークを通じての研究結果、著者の視点と史実から書き綴ったものですが、まったく堅苦しくなく面白い。読み進めば読み進むほど、今まで理解できなかったトルコ人の考え方のそれぞれが、繋がってくる感覚が気持いい。それとともに、イスラームと日本人の考え方がどれだけ違うのか、そんなことも発見できて、ワクワクしてしまいます。

冒頭にイスラームの「移動文化」を考え始める前に、簡単な比較文化の例が紹介されています。「おかわりありませんか?」「わたしもようやく落ち着きました」から分かるように、日本人は「変わらないこと・動かないこと」を良しとし、逆にイスラームの人々は時も天気も状況も、人の心も移ろうことを根底として、そのなかでいかに機敏に融通性を持ち柔軟に動くかを大切にしている、というもの。動かないことは、時間も心も環境も水も、そしてお金もよどむという考え方なんだそう。

予定通りことを運ぶことが好きな私にとって、大嫌いな「インシャッラー(神のみぞ知る)」的考え方の起源だと思いました。


私自信、旦那との考え方の違いに、怒ったり信じられなくなったりを繰り返してきましたが、この気持はあくまでも勉強不足からくるもの。「そういうものだ」と分かっていると、どれだけ気持ちが楽か・・・。個人の問題とか、そういうレベルでなくて、もっと古来から続く彼らの根底からの考え方の違いなのです。それを怒ったり疑ったりするのは本当にばかばかしい。

国内の他県に対するステレオタイプ的な知識でも、持っているのと持っていないのとでは全然違います。・・・一緒に暮らすのならばそれ以上の知識は必須だと痛感しました。

私は他のイスラーム圏の人々とは交流がないので、全員に当てはまるとは言い切れませんが、少なくともトルコ人と恋愛していて色々と戸惑っている人で、私のようにイスラームに関する図書を読んだことの無い人は、是非本書を読んで欲しいです。

柔らかで読みやすく、入門書には良さそうです。悶悶とした心の中の濃い霧がパッと晴れるような、・・・少なくとも光が差すような気持ちよさは味わえると思います。

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コメント

早速読み始めました。とてもためになり助かります!!少しでも理解できたら・・・・と願いをこめて・・・・
>ゆみじゅさん
どうでしょう?新書よりも読みやすいのではないかと。
彼らのほんの一角しか書かれてはいないと思いますが
読まないより、読んでいたほうが妙な納得感がありませんか?(笑)

あ〜〜・・・うちのも同じだ・・・といった悟りやつながりが見えたら
是非、教えてください。

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